6/25/2012

ミュンヘン 


チューリヒから次に向かったのは、ドイツのミュンヘン。
スイスとは対照的に、道路も建物も何もかもが大きくて、
自分が小人になった気分です。





街のシンボルの市庁舎。
空にまっすぐ伸びる塔、繊細な装飾が美しい。
ブリュッセルの市庁舎もこんな感じだった気がするなぁ。




聖ペーター教会の内部は豪華絢爛なロココ装飾。





バイエルン国立歌劇場。
残念ながら滞在中に公演がありませんでした。




ミュンヘン訪問の一番の目的は、こちらHaus der Kunstで開催中の
Janet Cardiff & George Bures Miller展。
カナダ出身のアーティストユニットで、日本でも、銀座のメゾンエルメスにて
展示された《40声のモテット》に感動した人も多いのではないでしょうか。

代表作のひとつ、カフカの『流刑』に出てくる処刑台からインスピレーションを得た
The Killing Machineを見ることができました。



ミュンヘン滞在2日目は、近郊の村に行き、
3日目は怒濤の美術館巡り。

ミュンヘンに来たからには、ピナコテークは外せません。
しかも、アルテ・ピナコテーク、ノイエ・ピナコテーク、
ピナコテーク・デア・モデルネと3つの巨大美術館がひしめいています。

まずはアルテ・ピナコテークから。
14世紀〜18世紀の絵画が700点ほど展示されています。
デューラー、ラファエロ、ブリューゲル、ルーベンス、ティントレット、
プッサン、レンブラント、ブーシェと西洋絵画の巨匠たちが勢揃い。




何より印象的だったのは、展示室の広さ、天井の高さ、
そして壁画のような大画面の作品の多いこと....



展示室へと続く階段もこの通り。とにかく何もかもスケールが違います。


そんな展示室の一画では子どもたちが集って何やら思い思いに絵を描いていました。


巨大な展示空間の冒険を終えた後は、1階のカフェテラスで休憩。
紅茶の種類が豊富で、タルトもおいしかったです。



続いて向かったのは、ピナコテーク・デル・モデルネ。
現代美術、グラフィック・アート、建築、デザインの4部門に別れた
これまた超巨大な美術館です。
企画展として、ピカソとベックマンとクーニングによる女性像展を開催中でした。




モデルネは、展示スタイルにも遊び心がありました。




年代が前後してしまいましたが、最後にやって来たのはノイエ・ピナコテーク。
19世紀の西洋絵画400点ほどをコレクションしています。
フリードリヒやメンゼルといったドイツの画家たちに加え、
やはりフランス印象派〜ポスト印象派の作品が中心。


Carl Rottmannという風景画家の展示が美しかったです。



なかなか思い切った壁の色。
アルテもそうだけど、ミュンヘンは展示室の壁の色がとても鮮やかでした。




さて、続いてはレーベンバッハ美術館へ、と言いたいところですが、
今はまだ改修工事で休館中。
ここから貸し出された青騎士の展覧会を1年前くらいに三菱一号館で見ました。


しかし、何とすぐ隣の地下鉄の構内にも展示スペースを持っている
レーベンバッハ美術館。
デュシャンのミュンヘン滞在時に焦点を当てた展覧会を開催中。

黄色のアクセントカラーがかっこいい。

たくさんの資料や、デュシャンが目にしたであろう機械なども展示されていて、
とても充実した内容でした。
ミュンヘンの地下鉄という独特の空間も良かった。

ここまでで、美術館3館と小さめの展示スペースひとつ。
ふらふら市街地の方へ戻って行くと、お洒落なショッピングモールに迷い込みました。


そして、出口にさしかかったとき、見つけてしまったのです、
ハンマースホイの展覧会を。
しかも20時までだからあと1時間くらいある...!! 
疲れを忘れて迷わず入りました。

ハンマースホイは19世紀後半に活躍したデンマークの画家。
2008年、上野の国立西洋美術館での展覧会で一気に日本での知名度も高まりました。
室内や親しい人物を描いた静謐な画面が特徴です。




展示室内は撮影禁止でしたが、
ショッピング・モールの一画の展示とは思えないほど
質・量ともに豊かでハンマースホイの画業を概観できる内容でした。
興味深かったのは、ボナールやヴュイヤールら同時代の画家の室内画も
展示されていたこと。
でも、新聞記事によると、ハンマースホイはボナールの甘ったるい色彩が
あまり好きではなかったようです。

食事もそっちのけで丸1日の美術鑑賞を終えた後は、
さすがにお腹が空いていたので、
カフェでココナッツ・カレーとサラダ、ドリンクのセットを頼みました。
これで10€弱。スイスの後なので何もかもが安く感じます。

この赤い飲み物は、昆布茶のクランベリー味らしいのですが、
曰く言い難い味でした。どうしてこの2つを混ぜようと思ったんだろう....



美術館三昧となってしまったミュンヘン滞在。
白ソーセージなるものを食べそびれたので、またいつか再訪したいです。





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